Yu-ki Abe Photography - Blog

  2020.10.16 スギノ スーパー マキシー  たまたま入手したクランク、スギノ スーパー マキシー は80年台のモノ。   初代 MIGHTY TOUR の時代に普及グレードだった スギノ マキシー の進化系で JIS規格のコンパクトクランク。 日本よりもアメリカのBMX界で重宝されている。   自転車の規格は国によって違う。 昔はフランス、イギリス、イタリアが3大自転車大国だった名残なのだが BB(ボトムブラケット) とクランクの規格は多種多様。 例えば、古い仏車は英国車と同じBB幅 (68mm) でも BBのネジ方向と規格が違う。(英1.370″×24tpi、仏35mm×1mm) エルスもサンジェもJIS規格の日本製BBとは相性が悪い。   クランクの規格はさらに膨大。 スクエアテーパー、オクタリンク、ISIS、ホローテックⅡ、パワートルク、ウルトラトルク、MegaExo... 取り上げたらキリがないほど群雄割拠である。マキシーはスクエアテーパーだが時代によってJISとISOを採用しており 今回手に入れたスーパーマキシーは、スクエアテーパーのJIS規格になる。   じてんしゃ昔ばなし。 かつて日本には2つの大きなコンポーネントブランドが君臨していた ひとつは大阪、堺市にある島野さん。もともとはフリーホイールメーカー。 もうひとつも大阪、堺市にある前田さん。こちらも、もともとはフリーホイールメーカー。   共に堺の町工場からスタートした2つの会社は丁寧な仕事と確かな品質で 1970年代後半には世界に名を馳せた2台ブランドへと成長した。 シマノとサンツアーである。   世界のShimanoとして今日に至る一方で、サンツアーは消滅してしまうのだが 前田陣営には様々な自転車パーツメーカーが参画していた。 その一つが奈良県の杉野さん(杉野鉄工所、現スギノエンジニアリング Sugino)。  1970年代、スギノは革新的なクランクを世に送り出した。 PCD110を採用した最初のクランク、スギノ マイティ ツアー (SUGINO MIGHTY TOUR) だ。 現代のコンパクトクランクの元祖であり、エポックメイキングな部品だった。 もっとも当時の日本メーカーはイタリアのCampagnoloを志向した製品を数多く作っていたため このクランクの規格はISOであり、BBも専用品が数多ラインナップされていた。   そして現代。 スクエアテーパーは時代遅れだよと言われつつ、JIS規格で復活したMIGHTY TOURは大人気。 オールドの初代MIGHTY TOURもプレミアが付いて取引されているが、いかんせんISO規格。 JIS規格で手頃な値段だったスーパーマキシーを、米国のサイトで見つけて購入した次第である。  価値を知る前にヤフオクに出したところ、みるみる値段があがり2万円で落札された。 ここまでピカピカの物は中々無いらしく、BMXにピッタリなのだという。 ちょっとした小遣いにはなったが、軽く後悔してしまった。   ところで、スーパーマキシーにはフレンチ規格に対応したモデルも在るらしい。 マキシーが在るのだからMIGHTY TOURにもフレンチ規格は在るのだろう。古いランドナーにMIGHTY TOURが数多く採用されているのは そんな理由があるのかも知れない。    前の記事へ             新しい記事
  

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