Yu-ki Abe Photography - Blog

  2020.10.17 霧ヶ峰 Ⅰ     電柱が４本建っている。 実際は霧の向こうへと電線が続いているのだが 建物は2km先まで何も無く、ただただ柱の列が続いている。   ４本のうち１本は電線が通っていない。 木製の電柱はかなり前に使われなくなり放置されたままだ。  撮影している場所の後ろには小屋が一つあり その一軒のために電線が引かれている。 別荘のようだが使われている様子は殆ど無い。GWには明かりが灯っていたので、廃墟ではなさそうだった。

  かつて、この場所には牧場があったらしい。 いまは跡地としてドラマやPVの撮影地になっているらしく 近くにあるグライダー場とセットで、たまーにロケのチームを見かける。   数年前、ここにはドラマ用のセット小屋が建ててあった。 話題にはならなかったらしく、いつの間にか小屋は取り壊されて更地に。 以前にはあずま屋が建っていて、ふらりと近づけたはずなのだが いまは跡形もなく、立入禁止の空き地が残っている。   マッサージチェアだろうか？ 未だに牧場時代の跡が残っている。 空き地は結構な広さがあり、そこそこ大きい牧場だったと推測される。  なにを飼っていた牧場だったのだろう。同じ長野県の信州新町はジンギスカンが名物で 信州サフォークという羊肉が有名になった。 いまから羊でも飼えば、良い牧場にならないだろうか。   誰かがここで暮らして生活があった。 戦後に国有地だった土地が民間に払い下げられ、誰かが牧場を開いた。 蛙原（げえろっぱら）と呼ばれる草原は遮るものが無いため風当たりが強く、冬は相当堪える。 祖母が生前この場所に来たときも、ここは風が強すぎてダメだと言っていた。   いつのまにか牧場は無くなった。 暮らしていた人たちは何処へ行ってしまったのだろうか。   牧場跡地の下には池のくるみ湿原が迫っている。 むかーしむかし、この場所にもスキー場があったのだが いまは跡欠片もない。   トロイカ、珍しい滑車のソリがあったのだが それも消えてしまった。  前の記事へ             新しい記事